仕事でWeb3のプロジェクトに関わることがあり、国内のブロックチェーンゲームについてリサーチする機会がありました。
いわゆる「Play to Earn」と呼ばれる仕組みが一時期は加熱していましたが、ポンジスキームなどと揶揄されてなりをひそめた感がありますよね。
そんな中で、稼げない系と噂のブロックチェーンゲーム「エグリプト」をプレイする機会があったので、ざっくり分析してきたいなと思います。
ビジュアルはかわいい感じで親しみやすいですね
「エグリプトX」という新作も出る予定みたいっす
エグリプト
Kyuzan Inc.無料posted withアプリーチ
エグリプトのゲーム概要
タイトル名 | エグリプト(EGGRYPTO) |
運営会社 | 株式会社Kyuzan/株式会社GameWith |
配信プラットフォーム | App Store/Google Play |
ジャンル | モンスター育成RPG |
リリース日 | 2020年4月20日 |
公式サイト | https://eggrypto.com/ |
公式Twitter | https://twitter.com/eggrypto |
ゲーム運営体制
まず座組としてはKyuzanとGameWithの共同開発となっており、プラットフォームへの提供会社はKyuzanになっています。
GameWithについてはゲームメディアのイメージが強かったんですが、「eスポーツ×NFT」領域の新作ゲーム開発などもやっているようで勢いがありますよね。
NFTゲーム専門のメディアも作って、囲い込みに行く戦略なのでしょうか。
ウォレットアドレスの自動作成
エグリプトではレアモンの取引に必要なウォレットアドレスが、ゲーム開始時に自動で生成されています。
メタマスクウォレットと紐づけることで、OpenSeaで仮想通貨を使ってレアモンを購入することができます。
とりあえず無料で始めたい人は、ここのステップを一旦飛ばして普通のゲームアプリとして遊び始めることができるので、ハードルは低いですよね。
仮想通貨が良くわからない人でもとりあえず遊べます
ここの仕組みはシンプルでBCG初心者には良いかと
エグリプトのゲームサイクル
モンスターを獲得するには、ホーム画面にある「世界樹」に時間経過で実る卵をふ化させるか、ガチャを回すか、ステージクリア報酬で得ることができます。
5キャラのパーティを組んで獲得したモンスターを育成し、クエストやアリーナに挑戦するのが主な流れです。
クエストは「体力」のパラメータ、アリーナは「スタミナ」のパラメータが、挑戦時に消費されて時間経過で回復する仕組みですね。
また、世界樹に24時間周期で「レアモンタマゴ」が実るので、これを狙うのが時間軸でのおおまかな基本サイクルになります。
ちなみに世界樹に実る金のレアモンタマゴは元々は6時間周期だったのですが、2023年1月22日のアップデートで24時間周期に仕様変更されました。
金のタマゴは☆4以上のモンスターが確定で排出されます。
主なゲーム機能について
クエストは「ノーマル」と「イベント」に分かれていて、クリアするごとに徐々に難易度が高くなっていきます。
イベントクエストについては難易度が上がると、耐性持ちモンスターを編成しないとクリアが難しくなるようにバランス設計されています。
この辺りはレア度が低いモンスターでも育成することで、耐性持ちモンスターとして活用できるように工夫されていますよね。
また、アリーナはいわゆるPvPの仕組みです。
5キャラで3パーティを組んでマッチングを行い、対戦相手に勝利することでRATEが上がりランキングに反映されます。
世界樹は時間経過で卵が実るため、ログインして卵を収穫→クエスト消化→キャラ強化→アリーナ挑戦という流れを繰り返す形になります。
バトルについて
基本はオートバトルで進みますが、キャラのゲージが溜まるとスキルを発動できます。
Skipで流すと勝手にバトルが高速で進んでいくので、ゲームのテンポは悪くないです。
攻略要素としては陣形の「基本」「防御」「バランス」「攻撃」をそれぞれ強化することができるため、キャラのタイプに合わせて組み合わせる必要があります。
キャラの属性についてはパズドラなどと同様の「3すくみ2対」で、まぁ慣れている人はすんなりやれるでしょう。
- 「火水木」得意属性には1.3倍、苦手属性には0.7倍ダメージの3すくみ
- 「光闇」は2すくみ属性で、「火水木」の3属性にダメージを等倍で与えられる
わりとベーシックなゲームシステムですよね
ユーザーも慣れてる仕組みなので、学習コストが低いっす
エグリプトでの稼ぎ方
エグリプトで稼ぐポイントは、「レアモン」を入手できるかどうかだけです。
レアモンはNFTとしてOpenSeaで売買することができます。
NFTをOpenSeaから直接購入した場合は、売却した際に差益が出れば稼ぐことができますね。
クエスト周回と卵からレアモンを入手
レアモンはクエストや世界樹の卵などから、ごく稀にドロップします。
エグリプト自体は無料でできるので、ゲームをやり続けてレアモンが獲得できれば稼げる可能性があります。
課金してガチャを回すことで強いモンスターは獲得できるものの、レアモンはガチャの中には含まれていません。
つまり課金をしたところでレアモンのドロップ率は変わらないので、基本的には運ゲーになってしまうんですよね。
ちなみにNFTのガチャについては賭博罪の懸念があり、ガイドラインの策定などが進められていますが、国内ではリスクが高いと考えられています。
レアモンの確率は鬼仕様
エグリプトはゲーム自体が無料でできてしまうため、レアモンの確率はかなり絞られています。
当たりやすいレアリティ4のものでも0.001575423%などになっていて、それよりもレアなものはさらに低確率な0.000377339%のようになっています。
何十万回〜何百万回とクエストを周回して、やっと1体のレアモンが獲得できるかどうかってレベルですね。
これがエグリプトが稼げない系のブロックチェーンゲームと言われる所以です。
つまりレアモンが当たらない限りは、何ヶ月とゲームを続けても稼げる金額は0円なのです。
僕は仕事でテスト自動化とかもやっていたので、Airtest辺りを使って周回する自動化スクリプトを書きたくなっちゃいますよね。
エグリプト運営は儲かっているのか
マーケ部分はGameWithがうまくやっているように見えますが、150万DLまでいってるのでMAUもそこそこ残っていそうですよね。
コンセプトとしてライト層を狙っているのでしょうが、キャラも2Dでゲームとしては複雑な要素がほとんど見当たりません。
有名IPを利用しているわけでもないので、開発費はそこまで膨らんでいないのではないでしょうか。
アプリ収益のみでも利益が出てそう
これだけの鬼仕様だとユーザーもすぐに離れてしまいそうですが、セルランを見る限りだと月数千万円の売上が立っていてちょっとビビります。
運営面ではクエストとガチャやキャラの追加くらいですし、それ以外の機能はPvPしかないので普通に儲かってるんじゃないでしょうか。
マーケコストについては予測が難しいのですが、GameWith自体が巨大なゲームメディアを持っているため、通常のアプリのようなコストはかけていないように見えます。
エグリプトXに期待
エグリプトは「無料で簡単に遊べるブロックチェーンゲーム」がコンセプトのため、このようなゲームバランスになっているのでしょう。
そこでさらに本格的なPlay to Earnが体験できる「EGGRYPTO X」の開発が進められています。
エグリプトのレアモンをそのまま使えるように設計されていて、ゲーム内通貨の一部をFungible Tokenで行うとの発表もありました。
エグリプトで集客した多くのユーザーをエグリプトXに上手く送客することができれば、勝ち筋はありそうですね。
エグリプトについてのまとめ
無料で初めて数万円〜十数万円の価値があるNFTが獲得できると考えると夢がありますが、ほとんどの人は数ヶ月〜数年やってもなかなか入手することはできません。
ゲームの機能としてもクエストとPvPくらいしかないため、延々と周回する人たちは自虐的に「修行僧」と呼ばれています。
しかし、より稼げる要素のある「エグリプトX」のリリースが予定されているため、期待をしてゲームを続けている人も多いようです。
セルランはあくまで予測数値ですが、1番の驚きはアプリ単体としても一定の売上をあげていることですよね。
サービスの継続はもちろんのこと、今後の取り組みについても期待できそうだなと感じました。
エグリプト
Kyuzan Inc.無料posted withアプリーチ
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