ガンホーからMMORPGゲームの「ラグナロクマスターズ」がリリースされました。
ラグナロクMとしてはすでに海外で2400万DLの実績をあげており、日本での展開が楽しみなところですよね。
この記事ではラグナロクマスターズのリリースから垣間見える、ソシャゲ大手のガンホーがどのような事業戦略を取っていくのかフォーカスしていきます。
また、パズドラの復調などでも業界から注目されているガンホーの成長戦略とIP育成について、IRなどからリサーチしつつ自分なりに考察してみました。
ソシャゲ大手各社が不調な中、ガンホーの戦略に注目
ガンホーはやはりパズドラのイメージが強いですよね
ラグナロクマスターズはMMORPG
タイトル名 | ラグナロク マスターズ(ラグマス) |
運営会社 | ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 |
配信プラットフォーム | App Store/Google Play |
ジャンル | MMORPG |
リリース日 | 2019年6月5日 |
公式サイト | https://ragnarokm.gungho.jp/ |
公式Twitter | https://twitter.com/RagnarokMasters |
ガンホーからリリースされた「ラグナロクマスターズ」は、2002年にPC向けMMORPGとしてリリースされた「ラグナロク オンライン」のスマホ版です。
「ラグナロクM」というタイトルでグローバル配信されていますね。
スマホ版のMMORPG
すでに全世界でDL数2400万というとてつもない数字を記録していますが、いわゆる大型オリジナルIPタイトルです。
スマホのMMORPGは日本国内では苦戦する傾向がありますが、どのくらいアクティブユーザーを集められるかが1つの勝負どころだと思います。
日本での配信が待望されていましたが、ようやく2019年の6月5日にリリースされる形になりました。
ラグマスは仲間内でワイワイやれるゲームっすよね
スマホのMMORPGで勝負するのは、けっこう難しいところではあるんですけどね
ラグナロク マスターズ
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ガンホーの成長戦略について
これまでの国内のソシャゲ会社は、パズドラもそうだったように、まずは日本市場向けの配信を中心としたゲーム開発を行ってきました。
これは国内の市場規模だけでも1兆円以上あり、単純にパイが大きく成長市場だったということが起因しています。
ところがここ数年の国内ソシャゲ市場は飽和しつつあり、海外パブリッシャーの参入などもあって、新規タイトルをヒットさせる環境としては厳しくなってきています。
中堅のゲーム会社は大手のパブリッシャーと組んで、有名IPを使ったゲーム開発が主流になりつつありますよね。
成熟したゲーム市場での戦い方
開発費が高騰する中で大型タイトルをリリースしても簡単には売上が伸びず、リクープする前にサービスが終了してしまうことが良くあります。
またIPを使ったタイトルは版権元に利益を配分しなければならないため、オリジナルのIPタイトルに比べると利益率は下がります。
特にソーシャグゲーム各社は採算性の悪化に苦しんでいるのが、今のゲーム業界の共通認識になっているのではないでしょうか。
一時期流行ったセカンダリーもV字回復させるのは難しく、徐々に売上がシュリンクして苦戦しているようにも見えます。
赤字の上場ゲーム企業も多いですよね
ラグマスのセルランは踏ん張っているものの苦戦してそう
マルチプラットフォーム展開
そんな中で、ガンホーはグローバル配信を前提としたゲーム開発に切り替えました。
そこからマルチプラットフォームへの展開を目指す戦略は、他のソシャゲ会社には見られない戦い方のように見えてきます。
もちろん、これまで日本の企業があまりやってこなかった、「グローバル配信が前提の開発」は一長一短でできるものでありません。
これはガンホーにとっても大きな挑戦と捉えることができます。
海外売上比率が大幅に増加
この記事自体は2019年に書いたのですが、2023年2Q時点ではなんと海外売上比率が約70%に到達するところまで成長しています。
2016年の段階では海外売上比率が11.4%しかなかったのに、2023年2Qには69.6%まで上がってきていて正直なところ驚きでしかありません。
まさに「ラグナロク」シリーズの開発元である、子会社のGravityの売上拡大が寄与しているようですね。
東南アジア各国で1位をとっている「ラグナロクオリジン」は売上拡大に大きく貢献し、ガンホーの成長戦略の骨格となっています。
地域別の売上比率を見てもアジアが67%となっていて、アジア圏を中心に大きな成功を収めていることが見て取れるかと思います。
ガンホーのグローバル配信を前提とした成長戦略が、ここにきて大きく実を結び始めているのではないでしょうか。
ラグナロクオリジン #本格育成MMORPG #新作
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ロングヒットIPを大切にしていく
そもそも今回のラグナロマスターズですが、ラグナロクオンラインとしては2002年から配信しています。
また息を吹き返したパズドラにおいても、配信開始は2012年と非常に運営期間が長いIPタイトルとなっていますよね。
一時期のピークから下がったMAUや課金率も、その後の運営努力によって安定的に収益を生み出しています。
長期運営でIPが育つ
オリジナルのIPタイトルをリリースしても、人気がでないと半年も経たずにクローズとなってしまうのがこのご時世です。
サービス終了が多いパブリッシャーのタイトルは、ユーザーから見ても課金控えする傾向があったりと悪循環を生み出してしまうんですよね。
この原因としては、開発規模が大きくなることで運営コストも上がり、サービスを継続させていく難易度が高くなってしまっている背景があるためです。
そんな中ガンホーがこれだけの息の長い運営を続けられているのは、まさに驚くべきことではないでしょうか。
特に最近はゲームの「運営力」が注視されていることもあり、こういった長期間のゲーム運営ノウハウは、他社では簡単に真似ができない強みですよね。
主軸のタイトルがしっかりと利益を出せているからこそ、地に足をつけた新作への投資ができるのだと思います。
ガンホーの戦略に今後も注目
パズドラなど既存タイトルのテコ入れにも力を入れつつ、ラグナロクマスターズのように海外展開を最初から視野に入れたゲーム開発戦略を取ってきたのが今のガンホーです。
ここから、さらなるマルチプラットフォームへの展開が見えてきますよね。
また、ニンジャラは世界累計1000万ダウンロードを突破し、コンシューマーゲームにおいてもガンホーの存在感を示しています。
ゲーム業界の流れの1つになる
これはゲーム業界でも注目が集まっていて、1つのロールモデルを構築していくのではないかと個人的には考えています。
また、国内のソシャゲ会社が苦戦している中で、こういった挑戦し続けているガンホーの姿が見られるのは、非常に明るいニュースではありますよね。
パズドラが大きく変えたソシャゲ業界を、また違った形で刺激を与えていってくれるのではないかと期待しています。
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