つい最近、とある企業から会社宛に営業電話がかかってきたんですよね。
その企業は数年前に少しだけ仕事で関わったことがあり、いまでもFacebookで当時の担当者と繋がっていました。
懐かしいなと思い企業名でググったんですが、当時と同じ事業を創業から20年近く続けていて、なんと上場するほどまで成長していたんです。
そして当時関わっていた部長や課長は、いつのまにか役員や子会社の社長になっていました。

当時は地味で、パッとしない会社のイメージがありました

ちなみに創業20年後の生存率は0.3%だそうです。
ビジネスを「スケール」させるには

ビジネスを成功させる要因の1つは「やり抜くこと」と言われていますが、何十年も1つの事業を突き詰めて上場までしているのは分かりやすい結果ですよね。
軸をぶらさずに当たり前のことをしっかりやるというのは一見簡単には見えますが、多くの人はそれを続けることができません。
ビジネスにおいてもそうですし、個人レベルの話でいうとTwitter(X)やブログで稼ごうなんて人のほとんどが時間の経過と共にいなくなっていきますよね。
ましてや人を雇用し、ビジネスを拡大しながら継続するのはとても難しいことなのです。
ビジネスをスケールさせる条件
ここで重要なのが「継続」はビジネスにおいて、スケールする条件の1つだということです。
事業が上手くいき始めて利益が出てきたら、その利益をまた事業投資に回して人を雇い拡大していくというサイクルを作ることが大切です。
このサイクルを実直に回し続け、複利のような形で事業を継続させることが、ビジネスをスケールするための必須条件です。
企業の生存確率について触れると、創業から20年後に残る企業は0.3%ですが、生存しているということは事業が何らかの形で継続していることになります。
大半の企業が基本的には消滅しているのです。
生き残った企業がシェアをとる
例えば市場規模が1000億円程度のビジネスがあったとして、そのシェアを1000社で奪い合っていたとします。
20年後に同じ市場規模が仮に残っていたとしたら、0.3%の生き残った3社が均等にシェアを持っているすると約333億円の売上をあげていることになります。
シェア1%だと10億円程度の売上にしかなりませんが、20年生き残ると売上300億円を超える規模になる可能性もあるわけです。
ちょっと極端な例になってしまいましたが、1000億くらいの市場規模だと数社でほとんどのシェアを占めていたりしますよね。

計算しやすいように数字を並べてますが、概念だけ伝わればと

ライバルが減っていくとシェアが増えていくわけですね
ビジネスをブリッツスケールさせる

ブリッツスケールとは「飛躍的成長」の意味で、リンクトイン創業者のリード・ホフマンが書いたBlitzscalingという著書から引用しています。
ブリッツスケールさせるための要素
著書において以下の4つの成長要素の重要性を説いています。
- 成長に十分な市場規模があるか
- 最適な流通経路があるか
- 高い利益率が見込めるか
- ネットワーク効果があるか
新しく起業する際は、これらの要素を満たす市場でビジネスを展開していくことが重要なのです。
そしてこのような市場でシェアを抑えて成功するには、スピードが最も重要な要因です。
成長を妨げる2つの制限要素
ビジネスがスケールしていく過程において、失敗するリスクも増えていきます。
売上や利益が伸びて急成長していくと、そこには落とし穴が待っていて全てが上手くいくわけではありません。
そこでビジネスの成長を妨げる下記の2つの制限要素についても触れていきたいと思います。
- 製品・市場適性の欠如
- オペレーションの急激な拡大の限界
ビジネスにおいてはユーザーの主要KPIだけではなく、利用する頻度や偏りなど製品・市場適性のシグナルを見極める必要があります。
見通しのきかない市場の変化の中で、目の前の重要指標にのみにとらわれることなく、先を見据えたキーとなる指標を見つけることが大切です。
また、事業のスケールとそれを支えるオペレーションは両輪であり、起業家はビジネスの成長とともにオペレーションも整えていかなければいけません。


ビジネスにおいて失敗する原因とは

ビジネスにおいて時間の経過と共に失敗する原因は、いくつか考えられます。
企業は常にリスクと向き合せで、資金力の無いベンチャー企業などはちょっとした要因から簡単に倒産してしまいます。
- 事業として儲からない
- 競合企業の台頭による撤退
- 資金不足による倒産
- 契約によるトラブル等
- 社内組織の崩壊
判断を誤ると大きな損害を出す
投資の世界ではこの判断は非常に大事で、ずるずると判断を引き延ばすことで最悪の結果になることは往々にしてあります。
必ずしも継続することが成功に繋がるかというと、そうではないのが難しいところです。
また、それはビジネスにおいても同じで、事業に失敗することで資金を溶かしてしまい、多くの人に迷惑をかける場合があります。
改善する手も打たずに「いつか上手くいく」と思考停止に陥ってしまうと、気がついた時には大きな負債を抱えてしまうことになります。

資金不足で倒産してしまった場合は、いわゆる「退場」ですよね

ビジネスが継続できないのは、自分の意志だけではない場合も
ビジネスが失敗しそうになったら
ビジネスモデルにもよりますが、大きく赤字が垂れ流し続けている状況であれば、どこかで立て直しを図らなければいけません。
新たに資金調達をするか、割り切って受託や代理店などで目先のキャッシュエンジンを作るのも、1つの選択肢です。
資金繰りが厳しくなると正常な判断ができなくなることがありますが、外部環境が変わるのをずっと待ち続けているのは悪手です。
会社を立て直す余力や気概がない場合は、早めに判断して清算することも視野に入れるべきです。
また、会社や社員を守る方法として、M&Aクラウドなどを使い株式を売却するという道も残されています。
面を張り続けるとチャンスが訪れる

企業が長く生存することで受けられる恩恵として、「時代による変化」があります。
よく言われるのが「時代が追いついてきた」というものですが、市場がある程度成熟してくるまで時間がかかる場合がありますよね。
外部環境の変化によるチャンス
事業自体は大きく変化がなくても、景気の変動があったり、法改正が行われたり、競合大手が撤退したりと「外部環境」は常に変化していきます。
そこで面を張り続けることで、いち早く環境の変化に気づきチャンスをものにすることができるかどうかが大切なのです。
そのため短期的な視点だけではなく、物事を中長期的に見る視点が必要になってきます。
例えばスマートフォンが世に出たばかりの時は、アプリを開発しても大きな利益を上げることはできませんでした。
しかし、スマートフォンの所持率が大きく上昇し、アプリ利用者が増え続けたことで、ゲームアプリを開発する企業が何社も上場したのは分かりやすい事例ですね。
不況時には新陳代謝が起こる
また、外部環境にはポジティブなものだけでなくネガティブな事象もあります。
例えば大きな不況は、自分たちも苦しむことになるでしょう。
しかし、長期的な目線で見ると競合他社が脱落していく中で生き残り続けることで、景気が回復した際にライバルが不在になります。
生き残ることで大きなアドバンテージが得られる可能性があるのです。
オフィスや店舗の居抜きなども増え、安い初期投資で規模を拡大するチャンスが訪れたりするわけですね。
人は基本的に「継続」ができない

投資は損切りできないと致命傷を負うことになりますが、ビジネスにおいては継続することでチャンスをつかむことができるのも事実です。
もちろん企業も資金繰りが続かなければ、倒産して大きな損失を被ってしまいます。
しかし先行者利益が大きくもたらされる場合もありますし、市場が成長してきたタイミングでシェアを持っていることの重要性は理解できるのではないでしょうか。
大衆の視点はいつも短期的
人は常に不安を抱えていたり、誰かの意見に流されやすい人が大半なのです。
そしてビジネスを「継続」するということは、何かにしがみつくとか保守的にやり続けることを推奨しているわけではありません。
あくまで長期的な視点を持って、継続し改善し続けることができる人だけが少数派に入ることができるのです。

大半の人が勝手に判断して自滅していくんですよね

中長期でうまくいってる人は、胆力がある人だけだと思うっす
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