もう何年も前から来ると言われている日本の「不況」について書いていこうと思います。
結論から言うと、不況はもう来るものだと思って色々と準備をしておくのが良いのではないかと考えています。
リーマンショックの不況時もすでに会社を経営していたのですが、その時は対岸の火事のように感じていて、まともに準備もしていませんでした。

リーマンショック前は年商で5億円ほどの会社を経営してました

不況は実際に自分の身に降りかかると、無力さを痛感しますよね
ちなみにこの記事は2020年の1月に書いた記事なんですが、まさかオリンピックどころじゃなく全世界的な問題が起こるとは思ってもみなかったですね。。
不況を体験したことがない人
僕が体験したのはリーマンショックにおける日本の不況でしたが、1番有名な不況といえばバブル経済の崩壊ですよね?
不況は体験しないとわからない

バブル崩壊って株価が大変だったとか、不動産がヤバかったとかそれくらいのイメージしかないっす
僕はリーマンショックが来る前は、事業も順調に成長していたので、周りには「上手くいきすぎて怖いので失敗したい」と話していました。
最近Twitterでスタートアップの起業家が同じように「不況を経験してみたい」といったことをつぶやかれていたので、その時の感覚がフィードバックしたように思い出しました。
危機感のない経営者はヤバい
事業が上手くいっていると不況がきてもそれほど影響がないように思いがちですが、購買意欲が落ちてしまうとどんな業界でも少なからず影響は受けます。
そもそもベンチャー企業や中小零細企業は、外部環境が大きく変わると簡単に吹き飛んでしまうことを肝に銘じておくべきです。
ほんとコレ。めちゃくちゃビビりまくってる。
たぶん準備しすぎくらいがちょうどいいと思う。 https://t.co/7gUBjkrxyK
— アプシェン (@appscen) January 14, 2020

失敗したいとか不況を経験したいとか、危機感がちょっとマヒしてるんじゃないすかね

リーマン・ブラザーズが倒産した時も、日本の会社じゃないしぶっちゃけ余裕だろって思ってました
リーマンショックは遅れてやってきた
アメリカのニューヨークに本社を置いていた、大手投資銀行リーマン・ブラザーズが倒産したのは2008年9月15日の出来事でした。
不況は少し遅れてやってくる
でも実際にリーマンショックの不況の波が日本にいつきたかと言われると、2009年頃と答える人が多いのではないでしょうか。
僕もその当時は社員100名を超える規模のIT企業を経営していて、海外では大騒ぎしているけど日本ではそれほど影響がないんじゃないかと思っていた1人でした。
危機感が全く無かったわけではないのですが、じゃあ具体的に何を備えたら良いのか見当がついていなかったんですよね。
不況時は案件がピタリと止まった
それまでIT業界にて請負や受託をメインに事業を行なっていたんですが、ある日を境に新規の案件が全然降りてこなくなったんです。
新規の案件が突然止まる恐怖

水道の蛇口をキュッと締められたように案件がピタッと止まりました

IT業界は大元の予算の出どころが一緒だったりしますからね
それでも既存の案件が続いていたので、業績が急に落ちることもなく売上は横ばいのままの状態が続きました。
不況の影響をいち早く受ける業界
しばらくして、懇意にしていた採用広告の会社の営業さんから「会社の利益が75%減になりそうです」って話を聞いたんですよ。
上場している大きな会社の利益が、4分の3もぶっとんでしまうという話はすぐにはピンと来なかったのを覚えています。
流石にこれはヤバイぞという危機感が襲ってきましたね。

ちなみに不況が来ると最初に止まるのは「広告費」や「採用費」です
じわじわ下がる売上に眠れない日々
新規の案件がなかなか取れなくなってしばらく経った辺りで、既存の顧客からは一律10%カットなど一方的な書面が届いたり、契約自体を打ち切られる状況が増えていきました。
雇用調整助成金に頼る
そこでまずは仕事が空いてしまった人員のキャッシュアウトを埋めるために、「雇用調整助成金」の申請を行うことにしました。
また、リストラによる人員整理を行なったり、オフィスを移転して管理コストを抑えたりなど、痛みに耐えながら経営を行なっていきました。
親会社が金融機関から資金調達をしていたので、最終的には会社をつぶすことなくなんとか生きながらえたんですが、経営が厳しい期間は長く続きました。
最終的には親会社に吸収

不況時はP/Lがどんどん悪化していき、夜も眠れなくなっていきます

立て直す手立てがないと、真綿で首を締められるような感覚ですね
固定費や不採算部門の整理を進めつつ、結果的には自分も代表を退き会社から去ることになりました。
20代で会社を設立して一気に急成長させましたが、業績が良かったときよりも悪かったときの方が様々なことを学べました。
こんな会社は不況時に倒産しやすい
不況の時はその会社が抱えている問題点が一気に露呈することになり、事業の構造的に脆いところから崩れていくことになります。
倒産しやすい会社の特徴
- 事業の利益率が低い
- 売上に占める人件費の割合が高い
- 事業の柱が広告収入のみ
- 福利厚生のサービスを展開

これが僕が知る不況に影響を大きく受けた会社の特徴です。自分の会社は1と2に該当していました
利益率が元々低かったり人件費率が高いビジネスは、コスト削減が容易でないのと削減に時間がかかるため注意が必要です。
またコストの削減対象になるという意味合いでは、広告だったり福利厚生に関するサービスは、顧客の予算が厳しくなりやすい傾向があります。
固定費を下げることができるか
また最近ではテレワークが推進されたことで、各企業はオフィスを解約・縮小移転することでコスト削減していますよね。
飲食店やイベント系、旅行関連やインバウンドに頼ってきた企業は、売上が大幅ダウンしていても、削減できない固定費がのしかかり非常に苦しい状況になっています。
賃料や人件費などをすぐに下げることができる企業は、不況時でも臨機応変に対応することができます。
不況時に業績が伸びる企業の特徴
逆にその時期に売上を伸ばしていた企業もいくつか知っています。
不況時に伸びる会社とは
- コスト削減を提供している
- BtoC向けサービスで原価が安い
- 企業買収をして規模を拡大
コスト削減系のビジネスは、顧客が毎月かかってしまうコストを下げることで、自社サービスへのリプレイスを狙うやり方です。

不況時はどこもコストを安く抑えたいので、一定の需要があります
不況時に起こるゲームチェンジ
また、リーマンショックの時にソーシャルゲームの波があったのですが、その頃はまだブラウザのポチポチゲー全盛でした。
ゲームの開発コストも数百万で抑えられたりしてて、これもtoC向けで原価が安いサービスだったりします。

ゲーム開発費用なんて今や1本10億円以上とかだから、考えられない時代ですよね
また、資金繰りに苦しくなった会社を安く買収して、子会社化することで規模を大きくしていった会社もありました。
今は外出を自粛している人が多いので、「VOD」や「ゲーム」、「宅配サービス」や「EC」などオンラインサービス全般に特需が生まれているようです。
不況時に大事なのはキャッシュ
潤沢にキャッシュを持っている企業は、不況時はやはり強いんですよね。
資金調達はできる時にしておく

業績が悪化してしまった当時の僕の会社は、親会社に吸収されることで倒産の危機を免れました

親会社が不況になる前に資金調達してたから良かったものの、リーマンショックで会社が消滅しかけたと
銀行などの金融機関は、実際に不況が訪れた際には半沢直樹でも引用されたように「雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」状態になります。
なのでキャッシュは引っ張れる時に引っ張っておくのが正解です。
助成金や国の制度も活用
今回はこのご時世で、持続化給付金や特別定額給付金などが支給されていますが、貰えるものは全て申請しておいた方が良いですね。
また、国民金融公庫や保証協会を使った信金からの借入などは、特例が出ているので資金も比較的引っ張りやすいのではないでしょうか。
キャッシュを持っていれば、様々な戦略をとることができるのです。
不況がくる前に準備を
リーマンショックの際には毎日胃が痛く、眠れない日々を過ごしていました。
ある程度、未来予測ができている起業家だったり、資金調達に精通しているような人も、ちらほら不況の足音が迫っていることに言及していますよね。
準備をしておいて損はない

自分の会社をバイアウトしたのも、ある程度キャッシュを持っておきたいって気持ちが正直ありました

そういえば最近でも会社を売却して子会社になったとか、資金調達して社長を退いたなんて話も聞きますね
リスクに対して何も準備をしない経営者は、無謀でしかありません。
不況の前にやっておくべき準備としては、法人でも個人でも「キャッシュを確保しておくこと」と、いくつか「収入源を分散しておくこと」が大事です。
自分のことは自分で守れるように
雇用される側は法律で守られていたり、雇用保険などの制度もありますよね。
ただしフリーランスや業務委託などで生計を立てている人はあくまで契約上の縛りしかないため、解除されても企業側には正当性があります。
もちろん理解はされているとは思いますが、リスクが高いことは想定しておくべきでしょう。

不況時にフリーランスでいるのは、個人的にはおすすめしないですね

リーマンの時は半年くらい仕事がないフリーランスとか普通にいましたもんね。嵐の大海原にイカダで漕ぎ出しているようなものか
コメント