ビジネスの鉄則として「これから伸びる市場で戦う」というセオリーがあります。
成長する市場は売上も伸ばしやすく、参入者が少ないうちにシェアが取れると一気に会社を急拡大することができるためです。
じゃあこれから伸びていく市場は、どうやって見つけたらいいんだって話になりますよね?
今日はそんな「これから伸びる市場」について僕なりの考察と、バズワードとの関わり方について書き綴っていきたいなと思います。
市場選択がすべてなんて言われたりしますよね
斜陽産業で戦っていても先が見えちゃいます
バズワードに乗るには技術力が必要
ここ数年の話だと「メタバース」や「NFT」、「仮想通貨」や「ブロックチェーン」、「DX」や「AI」などIT業界では色々なバズワードが聞こえてきます。
いつの時代も新しい技術や産業が生まれ、新しい物好きが早くから参入し、時には大きな資金が流入することがあります。
また、VCなどの投資家も常に新しい市場で戦うスタートアップを探していて、起業する側も資金が集めやすくなるなどのメリットがあります。
エンジニアリングが必須
これらは基本的にエンジニアリングによって革命をもたらしたり、既存の事業領域においてゲームチェンジをしていく企業が伸びる傾向があります。
これまでの社会課題を解決できる新しいサービスを世に出すことで、スタートアップとしての存在価値が生まれるわけです。
しかし、すでに注目されている市場が伸びることは分かっていても、その技術がないと実際には参入できないじゃんとなりますよね?
バズワードに乗れる企業は、エンジニアリソースがあって資金も集められる会社です。
新しい市場はスタートアップが有利
サービスを実現するにはスタートアップで仲間や資金を集め、一点突破で突き抜けられるチームに可能性があります。
しかし、スタートアップをやるにしても、当然のことながらエンジニアリングは必要です。
アイディアだけ考えついても、実現できなければ何もないのと一緒です。
例えばAIが伸びるからPythonを学ぼうと非エンジニアの人が考えても、サービスが作れるまで何年もかかりますよね。
最近では「優秀な開発チームを持っているかどうか」が投資の判断材料にもなっていますね
社長自身が開発もできると強かったりするんですけどね
世の中の大きな流れを予測
そこでまずは、目先のバズワードに囚われずに情報を集めていきましょう。
誰もがプログラミングができて、新しいサービスをすぐに作れるわけではないですよね?
統計情報などからリサーチ
世の中の大きな流れというものは、ある程度は統計情報や市場分析などでリサーチすることができます。
例えば日本はこれから人口が減少していき、少子高齢化が加速していくと言われていますよね。
ではそれが「どれくらいの速度で進行していくのか」の予測については、総務省の統計を見ると明らかになります。
これは国全体の社会問題として政府も注視していて、力を入れていかなければならない分野だということが分かるかと思います。
このような流れから、地方の衰退や少子高齢化を解決できるようなサービスを展開していくと、国や自治体などからもバックアップしてもらえる可能性が高いと考えられます。
大局観で市場の未来予測をする
また、未来予測という意味合いだと元Gunosyの福島さんのnoteなども非常に参考になります。
このように次の10年について考えていることや、リサーチしている内容を公開している方もいるんですよね。
この記事だとテック産業を中心に見ていますが、バズワードに惑わされずにどこに張っていくべきかということが掴めるのではないでしょうか。
あくまで参考にする程度で良いとは思いますが、これから先の未来予測をしていくこともできるのです。
伸びる市場でも時間がかかる場合
ここ数年のトレンドでは、VRやARなども話題に上がっています。
また海外ではe-Sportsが盛り上がったりしていて、リサーチ会社のレポートなどによると、日本でもどんどん市場が大きくなると言われています。
市場規模の拡大まで時間がかかる
VRについては僕もいち早くVRゴーグルを買って体験したり、著名人の話を聞きにいったりして、自分の中でも加熱していた時期がありました。
一時期はスマホの次のデバイスになるんじゃないかと言われていて、ゲーム業界でも盛り上がっていた記憶があります。
しかし、メタバースなどの登場でまた注目されるようにはなりましたが、市場規模が拡大するまで時間がかかっているように感じます。
バズワードのように話題に上がることと、実際の市場成長がリンクしていくわけではないため、市場選択がいかに難しいかということですね。
国内ではまだリードを取れるような企業は、出てきていないよう見えますよね
トレンドに上がるようなバズワードでも、注目度に対して実態が追いつかない場合もあります
デバイスの進化や環境変化が必要
VRの没頭感は凄いものの、ゴーグルをつけた後の髪ボサボサ感とか、VR酔いのしんどさとかあって、これはまだ市場が成長するのには時間がかかりそうだなと感じました。
逆にARはポケモンGO然り、ドラクエウォーク然りで、スマートフォンゲームにおいては大きな市場を作ったなと感じますよね。
ただ、こういった状況もデバイスの進化だったり、メインプレイヤーの出現によって一気に加速する場合もあります。
急成長した事例のソーシャルゲーム
mixiゲームのオープン化から始まり、mobageやGREEの台頭、ネイティブアプリに移り変わる中で何社ものゲーム関連企業がIPOしました。
いくつか節目をこえて急拡大し続け、ソーシャルゲームはいつの間にか国内だけでも1兆円を超える市場規模にまで成長しました。
急成長にやや遅れて参入
僕がソーシャルゲーム業界に初めて関わったのは、リーマンショックが明けてしばらく経った頃です。
ちょうどリーマンショックの際は別の人材系ビジネスをやっていて、とてもじゃないけど新規事業をやっている余裕がなかったんです。
僕は急成長する市場を横目で見ていて、めちゃくちゃ歯がゆかったんですよね。
そんな折にちょうど節目のタイミングがあって、ちょっと遅いけどいったれ!と考えてソーシャルゲーム業界に飛び込みました。
タイミング的には2011年頃なので、ブラウザからネイティブアプリへの転換期でした
パズドラが世に出るちょっと前くらいっすかね
成長の鈍化と中国企業の台頭
しばらく急成長を続けてきたソーシャルゲーム業界ですが、2018年辺りからは中華系パブリッシャーが日本市場で台頭してきています。
国内のゲームアプリ市場規模も1兆3,192億円(2017年)から1兆3,126億円(2018年)と成長が鈍化してレッドオーシャン化しています。
このような市場環境があり、今は上場企業でもかなり苦しいところは多いですね。
ここから数年で中華資本の参入なども含めて、業界の大きな再編が行われるのではないかと思っています。
市場が成長するタイミングで参入できたので、自分の会社もそれなりに大きくすることはできましたが、成熟期を迎えるとまた違った戦い方が必要になります。
これから伸びる市場とその関わり方
ここで冒頭で触れている「技術力がないと参入できない」という観点について、自分なりの考察をまとめていきたいと思います。
まずはその市場との関わり方についてです。
スタートアップ的な戦い方
自分がエンジニアだったり会社に技術を持った人がいれば、資金調達してプロダクトを作るのが1番オーソドックスな戦い方ですよね。
これには「エンジニアの確保」と「資金調達」が必須です。
起業する際はスタートアップのような形になると思うので、当然リスクもそれ相応に大きいけれどリターンもデカいはずです。
採用やチームビルディングだったりと、課題は盛りだくさん
まずはプロダクトが作れないと、そもそもスタート地点にすら立てないのです
周辺ビジネスで戦う選択肢
「ツルハシビジネス」という言葉は嫌いなんですが、リソースを持たざる者としてはこの戦い方があげられるかと思います。
例えばゲーム業界では、1つのタイトルを開発し運営していくのに今では10億円以上が必要と言われています。
そんな中でゲームは開発せず「GameWith」のように、メディアとして周辺事業で成長していく戦い方もあります。
また、僕自身も持たざる者だったんですが、周辺ビジネスのゲームQA受託を軸に事業を広げていきました。
これにより、大きな資本やエンジニアも必要がなく、ビジネスを展開していくことができたんですよね。
これが伸びていく市場の周辺で戦っていく戦略です。
メインストリーマーになれない持たざる者は、この戦い方になるんじゃないかな
転職して業界に飛び込む
市場が伸びるかどうかわからない状況で、いきなり起業するにはリスクが高いですよね。
そこでおすすめなのが、その市場で伸び始めている企業に転職することです。
利益が出る仕組みや商習慣、必要なリソースはどんなものがあるかなど学びながら、自分で起業しても勝ち筋があるとわかればそこから勝負してみるのも良いでしょう。
新しい業界にチャレンジすることで自分のキャリアにもプラスになり、第一線での戦い方も学べるはずです。
これから伸びていく市場の見つけ方
次に「これから伸びていく市場はどうやって見つけるのか」という、もっとも大きな観点について考えていきたいと思います。
これ実は、いま僕もまさしく探しているところなんですよね。
いくら世間的に騒がれているバズワードについてリサーチしていっても、簡単にはこれだ!っていうものが見つからないと思うんです。
己を知るところから始めよう
そこで今やっているのが、自分のこれまでの「経験やスキルの棚卸し」と「細分化」です。
市場を探すというよりは自分自身が情熱を捧げられるもの、他者よりも秀でている分野を先に探すことが必要なんじゃないかと思ってるんですね。
そしてそれが見つかったら、関連する市場規模や既存のプレイヤーの情報をリサーチしていきます。
これを何度も繰り返していって、ようやく「自分が有利に戦うことができる伸びていく市場」が見つかるのではないのでしょうか。
自分が戦える領域で勝負
今はまだ僕もリサーチの段階ですが、これまでの経験から「HRtech」か「マッチング」辺りがキーワードとして頭の中にあります。
また、個人的に解決していきたい問題としては「就労人口の減少」と「地方の衰退」があります。
これらをかけわせていくことで、情熱を注ぐことができる新しいサービスができるんじゃないかと考えています。
簡単じゃないけど、新しいビジネスを考えるのは楽しいよねって話でした!
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