この記事の要約
- 商談メモは短く要約するだけでなく、合意した宿題・まだ提案の段階の話・確認が必要なことに分けます。
- AIには発言の番号も付けて整理してもらい、担当と期限が本当に決まっていたか読み直します。
- 期限が曖昧な項目は、先に相手へ確認します。下のプロンプトと表を使って、商談後の作業を整理できます。
商談中は話がまとまったと思っていたのに、メモを読み返すと「見積を出す」「資料を送る」としか書いていない。誰が送るのか、いつまでなのかが分からない。
AIに要約を頼むと、文章としてはきれいになります。でも、きれいな議事録と、そのまま動ける作業一覧は少し違います。
今回は、商談のメモから次のアクションを整理する方法です。説明には架空の会話を使います。実際の顧客の発言や、特定AIツールでの実測結果ではありません。
まず発言者と商談日を残す
「資料を送ります」という発言でも、自分が言ったのか、相手が言ったのかで宿題の担当が変わります。メモに発言者がなければ、AIに渡す前に確認しておきます。
最低限、商談日、発言者、発言の中身を残します。聞き取れなかった部分は、そのまま「不明」で構いません。
録音から文字起こしした文章を使う場合も、話者の取り違えや日付の誤りがないか確認します。会話を録音・AIへ入力してよい範囲も、相手との取り決めに合わせてください。この記事では、音声の自動取得や顧客データの連携は扱いません。
自社の対応範囲を一緒に渡すなら、営業の共通メモと案件メモの形にしておくと、商談の記録と商材の説明を分けられます。
宿題を「合意・提案・未確認」に分ける
すべての話をタスクにしてしまうと、相手がまだ頼んでいない仕事まで始めかねません。作業一覧にする前に、話の状態を分けます。
| 状態 | メモの例 |
|---|---|
| 合意した宿題 | 「明日、私から一覧を送ります」 |
| 提案・条件付き | 「資料を確認できれば、来週中に出せそうです」 |
| 未確認 | 「公開作業もお願いしたいです」 |
「できそうです」を「やります」に置き換えると、約束の内容が変わります。AIの整理表でも、ここは元の言葉を確認したいところです。
次のアクションを整理するプロンプト
メモの各発言にS1、S2のような番号を付けて、以下の依頼文と一緒に渡します。
次の商談メモを、商談後の作業一覧に整理してください。
【商談日】
[日付。分からなければ不明]
【商談メモ】
S1: [発言者と発言]
S2: [発言者と発言]
次の列で表を作ってください。
状態(合意・提案/条件付き・未確認)/作業/担当/期限/条件/根拠の発言番号
ルール:
- 担当と期限は、発言にある場合だけ書く。不明なら未確認とする。
- 「できそう」「検討する」を、確約した作業や期限に変えない。
- 相手の要望だけでは、こちらが引き受けたと判断しない。
- 「明日」などの日付は、商談日が分かるときだけ変換し、元の表現も残す。
- 「来週中」は特定の日を推測せず、元の表現を残す。
- 最後に、作業を始める前に確認したい質問を挙げる。
表が出たら、発言番号をたどって読み直します。タスクが多いほどよい、というものではありません。まだ決まっていない作業が混ざっていたら、確認事項へ戻します。
架空の商談メモで整理してみる
Webサイトの更新を相談している場面を例にします。商談日は2026年10月14日とします。
S1: 相手「CMSの種類と、更新したいページの一覧を、明日こちらから送ります」
S2: 自分「受け取った一覧を確認して、見積の提示日を相談します」
S3: 自分「内容を確認できれば、来週中に見積を出せそうです」
S4: 相手「原稿を作るところから、公開作業までお願いしたいです」
この入力に対応する整理例は、次のとおりです。入力と表の関係を説明するために作成したもので、AIサービスの実行結果ではありません。
| 状態 | 作業 | 担当 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 合意した宿題 | CMSと更新ページ一覧を送る | 相手 | 10月15日(明日) |
| 合意した宿題 | 一覧を確認し、見積提示日を相談する | 自分 | 未確認 |
| 提案・条件付き | 見積を提示する | 自分 | 来週中という見通し。未確約 |
| 未確認 | 原稿作成から公開まで依頼する | 引き受ける担当は未確認 | 未確認 |
「10月15日までに見積を提出する」とまとめられていたら、訂正が必要です。明日送ると言ったのは相手で、送るものは一覧です。見積の期限ではありません。
「原稿作成から公開まで自分が担当」と書かれていた場合も、まだ決まっていません。相手の希望と、こちらが引き受けた範囲を分けて読みます。
未確認のことは、短い確認メールにする
例の商談で先に聞きたいのは、原稿作成もこちらで対応するのか、その範囲と公開時期です。見積の日付は、一覧を確認してから相談することになっています。
確認メールの文例は、こう書けます。
本日はありがとうございました。
CMSと更新ページの一覧は、明日お送りいただく予定と理解しています。
原稿作成から公開までをご希望とのことですが、
原稿に必要な素材のご用意状況と、ご希望の公開時期を教えていただけますか。
一覧を確認したうえで、こちらで対応できる範囲と見積の提示日をご相談します。
認識が違う点があれば、お知らせください。
この文例は商談当日に送る想定です。翌日以降に使うなら、「明日」は日付に直します。AIに下書きを頼んだ場合も、送信前に担当・日付・対応範囲を確認してください。
合意が取れたら、作業一覧へ移す
確認が終わった項目だけを、自分が普段使っているタスク一覧へ移します。転記する欄は、作業、担当、期限、着手条件、元メモの場所です。
予定が変わったときは、期限だけを上書きせず、変更した日と理由も残しておくと後で追えます。「一覧の到着が遅れたので、見積日は再相談」のように書けます。
商談前の情報と商談後の確認をつなげたいなら、出典付きの企業調査メモも一緒に使えます。調査時の仮説を、相手に確認できた事実へ更新していく形です。
商談後に必要なのは、長い議事録より「決まったこと」と「まだ聞くこと」が分かるメモです。次に動くために足りない情報だけを確認すれば、作業一覧も無理なく埋められます。


コメント