初めて起業する際は、会社をどうやって整えていけば良いか分からないことばかりですよね。
そんなこれから起業しようとしている人向けに、創業時のオフィスの探し方について最適な方法を書いていきたいと思います。
もちろん自宅をオフィスにしてしまう方法もありますが、賃貸契約で事務所利用が禁止されている場合などもあります。
対外的な見られ方を考慮したり、起業時の登記住所を準備する際など、オフィス選びのポイントについて解説していきます。
これまで3社ほど会社を作ってきましたが、最もベストな方法は「間借り」です
「間借り」は取引先など別の会社が借りているオフィスの一角を使わせてもらうことっすね
起業オフィス選びの基礎知識
基本的にオフィス賃料は、固定費として毎月かかるコストです。
起業時は固定費を抑えることが重要なのですが、初めて起業する人にとってどれくらいのオフィスを準備すれば良いのか悩むところではないでしょうか。
対外的な見られ方や体裁を気にしすぎて、賃料の高いオフィスを借りてしまって大事な事業への投資に回す資金を圧迫してしまっては元も子もありません。
オフィスの種類と選ぶポイントとは
起業する際のオフィスには通常の賃貸オフィスの他に、レンタルオフィスやシェアオフィス、バーチャルオフィスなどがあります。
これらは契約時に手数料や保証金がかかり、毎月の費用も広さやオプションなどによって月数千円〜数十万円とコストがかかります。
起業時はオフィス賃料を極力抑えて、尚且つ自分たちのビジネスに最適なオフィスを選ぶ必要があります。
ビジネスによっては対外的な見られ方や、採用時に一定の信用を必要とするため、それなりのオフィスを用意する場合もあります。
また小さなビルだとトイレが共用の1つしかない場合が多く、社員に女性がいる場合は男女別のトイレがあるレンタルオフィスの方が良いかもしれません。
創業間もない企業が男女別のトイレがあるスペックのビルを単独で借りるには、コスト面でややリスクがありますよね。
費用面とビジネス面でのバランスを考えながら事業計画に盛り込んで、最適なコストになるようにオフィス選びを行っていきましょう。
起業初期のオフィス選びでの失敗例
これは知り合いの会社であったのですが、3名で起業した会社で月50万円ほどの広いオフィスを借りていました。
大手企業出身で資金調達もしていてイケイケの経営者だったのですが、事業もすぐには軌道に乗らず採用も上手くいっていないようでした。
半年以上もガラガラのオフィスで資金も目減りする中で、役員報酬を削ったりしていましたが、結局オフィスを引き払って小さなオフィスに移転していましたね。
また、その間に創業メンバーの離脱などもあり、大事な創業資金の多くがオフィス費用に費やされる結果となってしまった事例です。
資本金も1000万円程度で保証金なども積んでいたでしょうから、キャッシュはかなりキツかったんじゃないかと想像します。
オフィスを間借りする方法
起業時のオフィスのコストを最も安くする方法は「間借り」です。
他の会社で余っているスペースを使わせてもらう間借りは、場合によっては創業時のオフィス賃料がタダになることがあります。
まず1番イメージしやすいのが、取引先や知人の会社のオフィスを使わせてもらう方法です。
相手側の事業と自分が興す事業にシナジーがある場合は、発注先を自社内に抱えることができるので貸し手側にもメリットがあります。
このご時世でオフィスのスペースが余っている企業も多いので、まずはダメ元でお願いしてみるのが良いでしょう。
間借りする場合は、オフィスの転貸になるためビルの管理会社などの承諾が必要になります。
間借りのメリットとは
自分が最初に創業した会社は、出資元の会社が既に移転していて、移転前の無人のオフィスを解約予告期間の6ヶ月間だけタダで使わせてもらうことができました。
1番のメリットはコスト面ですが、賃料で月70万円くらいのところを、半年間とはいえ無料で保証金を積むことなく利用できたのはありがたかったですね。
創業したての会社ではとても借りられないようなオフィスだったので、採用や取引先への信用としては大きなメリットがありました。
またBtoBのビジネスの場合は、顧客の近くに居ることで仕事を頂ける機会も増えます。
間借りのデメリットとは
逆に間借りのデメリットとしては居候みたいなものなので、契約主が契約解除すると同時に出ていかなくてはならないリスクがあります。
また、ビルオーナーに了承が得られず登記がダメだったり、セキュリティ面で問題があったり、トラブルが起きたりとすんなりいかないことも多いでしょう。
自分が2社目の創業の時は、取引先オフィスの余っている一角を使わせてもらっていました。
しかし、取引が無くなってからはお互いに気まずくなってしまい、別でレンタルオフィスを借りて出ていくことになりました。
その他にも簡単には間借りできる会社を探せないことや、会社が成長した際に拡張することができないなどのデメリットもあります。
レンタルオフィスの特徴や探し方
最初に間借りをおすすめしていますが、それは創業時の固定費や支出をいかにゼロに近づけるかが大事なためです。
とはいえ間借りについては人様の信用力をお借りする非常に図々しいお願いなわけで、起業する前の信頼関係が必要だったりとハードルが高いのです。
そこで次の選択肢として挙がるのが「レンタルオフィス」です。
レンタルオフィスのメリット
家賃の安い雑居ビルやマンションを最初のオフィスにする方法もありますが、敷金や保証金がどうしても高くつくためレンタルオフィスを使うのがベターです。
敷金や保証金は動かすことができないお金になるので、資金繰りに困ったときや初期の採用費などに回すことができないためムダ金になってしまいます。
坪単価で比較するとレンタルオフィスは高いのですが、会議室やトイレなどの共有スペースを考えると、通常のオフィスを借りるより初期費用も抑えられコスパが良いのです。
また、通常の貸しオフィスの場合はネット回線費用が別途かかったり、オフィス什器を用意したり、清掃を自分たちでやらなければならなかったりもします。
レンタルオフィスであれば基本的にネット回線も用意されていますし、オフィス什器もセットアップされた状態ですぐに利用することができます。
仕事がオンラインで完結する場合でも、会議室があるレンタルオフィスを契約しておくと、集まってミーティングしたい時や来客時にも捗ります。
事業を拡大させるなら、それなりのスペックのオフィスを準備したいですよね
来客がある場合は有人受付のレンタルオフィスがおすすめっす
レンタルオフィスのデメリット
コストが安いことがメリットですが、大型のハイグレードビルにあるレンタルオフィスはむしろ高くなってしまう場合があります。
起業時のオフィスでおしゃれな高層ビルに入居することと、それに見合うコストメリットがあれば良いかもしれませんが、あまりおすすめはできません。
また、大きめの機材の持ち込みや改装なども自由に行うことができません。
商談スペースなどは共有で使うため、情報の機密性が必要な場合やセキュリティ面で気になる場合は、管理方法を考慮する必要があります。
許認可が必要な事業を行っている場合は、そのレンタルオフィスが要件を満たすことができるのかどうかも確認しましょう。
シェアオフィス(コワーキング)とは
レンタルオフィスには専有スペースが確保されていますが、併設してシェアオフィス(コワーキングスペース)が用意されている場合もあります。
シェアオフィスは共有スペースを複数の企業や個人で利用する形式で、専有スペースのレンタルオフィスよりも安く利用できることが大きなメリットです。
入居者同士でコミュニケーションが取れたりもしますが、実際に知らない会社の人と話す機会はほとんど無いですよね。
周囲の騒音が気になる人や、会社の機密情報を取り扱うことが多い場合は専有スペースのあるレンタルオフィスがおすすめです。
JUST FIT OFFICEで検索
レンタルオフィスを探す際は、エリアや人数、キャンペーンなどを横断的に検索できる「JUST FIT OFFICE」を使うのがおすすめです。
空室の情報や初期費用の総額などもわかるので、ここで探すのが早いですね。
キャンペーン情報が定期的に更新されているので、少しでも安く借りたい時はここをチェックしておくと良いでしょう。
レンタルオフィスにはフリーデスクやブース型、個室タイプなど様々ありますが、情報の機密性を保ちたい場合や集中して作業したい方には個室タイプがおすすめです。
キャッシュバックも受けられる
月額利用料 | 報酬額 |
50,000円以下 | 4,000円 |
50,001円〜100,000円 | 5,000円 |
100,001円〜500,000円 | 10,000円 |
500,001円〜1,000,000円 | 30,000円 |
1,000,001円〜3,000,000円 | 50,000円 |
3,000,001円〜5,000,000円 | 100,000円 |
5,000,001円〜 | 200,000円 |
また、JUST FIT OFFICEはアンケート回答で最大200,000円分のキャッシュバックを受けられるので、普通に申し込むよりもお得です。
オフィスの契約には少なからず初期費用がかかるため、浮いたお金で必要な什器やPCなどの周辺機材購入にあてることもできます。
都内の主要なレンタルオフィス情報が掲載されています
エリアやタイプで一気に検索できるのが便利っすね
\ 社員1名からのオフィス探し! /
バーチャルオフィスの特徴や探し方
仕事自体が自宅でできてしまう場合は、わざわざコストをかけて作業場所を確保する必要はありません。
繰り返しにはなりますが、創業時は固定費を極力抑えていくべきです。
会社の登記住所を自宅にできれば良いのですが、賃貸契約によっては法人の住所として利用してはいけない場合が多いです。
また代表者の住所は登記簿を調べれば分かってしまいますが、WEBサイトなど公に出す情報としては自宅以外の住所を使いたいですよね。
そこで最もコストが安いのが「バーチャルオフィス」です。
バーチャルオフィスのメリット
仕事がテレワークで全て完結する企業の場合は、バーチャルオフィスがおすすめです。
月額で数千円程度とかなり安い価格帯で、都内の一等地の住所にオフィスを登記できるのが大きな特徴ですね。
郵便物転送や電話対応などのオプションを利用することで、通常のオフィス機能として十分に役割を果たすことができるでしょう。
無料で使えるリモートオフィス「Gather」などを使えば、アバターを使って集まって会話をしたり、座席に座っている人に声をかけたりすることもできます。
住所はバーチャルオフィスで、仮想空間上にオフィスを用意してしまえば物理的に何かを用意する必要もないですよね。
バーチャルオフィスのデメリット
「バーチャルオフィス」で検索すると、格安のサービスがたくさん出てきます。
対外的な見られ方を気にしない、とにかく安いところで契約しようというのも1つの考え方として合っているとは思います。
ただし、格安のバーチャルオフィスで気をつける必要があるのは、悪質なサービスを提供している会社や、ペーパーカンパニーなど実体のない会社が同じ住所に存在してしまう可能性です。
レンタルオフィスでもバーチャルオフィスサービスを提供しているところがありますが、悪用されないように厳しく審査をしています。
格安のバーチャルオフィスにする場合でも、運営会社が大手で審査をしっかり行っているところを選ぶと良いでしょう。
また取引してる信用金庫の担当の人が、「時代遅れだとは思うのですが」と前置きした上でバーチャルオフィスの会社とは取引を避けるということも言っていました。
法人でバーチャルオフィスを選ぶ際は、銀行口座の開設実績のあるところを選ぶのをおすすめします。
バーチャルオフィスを契約する前に、住所検索でネガティブな情報がないか確認しましょう
格安のバーチャルオフィスは法人の銀行口座が作りにくい場合があるので注意が必要です
Regus(リージャス)の評判
Regus (リージャス)は世界最大手のオフィスサービスブランドで、世界で120ヵ国に展開しています。
元々は一等地のいかついビルをバーチャルオフィスとして利用できることで有名でしたが、現在は貸し会議室で有名なTKPの子会社となり、様々なオフィスブランドを提供しています。
レンタルオフィスなどもあるのですが、ハイグレードなビルが多いため全体的にやや割高です。
公式サイトで拠点一覧を見てもらえると分かるのですが、丸の内や汐留の有名なビルを会社の登記住所にすることができます。
バーチャルオフィスの住所でイキるのだけはやめておきましょう。わかる人にはわかるので
バーチャルオフィスで検討する場合は、まずリージャスを調べてみると良き
\ バーチャルオフィスの世界最大手 /
GMO渋谷バーチャルオフィスの評判
格安のバーチャルオフィスでおすすめなのは、GMOオフィスサポートが提供している渋谷バーチャルオフィスです。
住所利用のみだと月額660円(税込み)と激安で、月額1650円(税込み)で登記ができて郵送物の月1回転送を利用することができます。
GMOのバーチャルオフィスが良い理由は大きく3つあります。
- GMOあおぞらネット銀行が申込可能
- ビジネスデビットカードも申込できる
- 事業計画書のフォーマットがもらえる
これから起業する人にとっては、これらがあると創業時の準備がかなり捗るはずです。
他にもMFクラウドやfreeeがお得に使えたり、法人印鑑や設立登記、法人カードの紹介、電子契約サービス、03の固定電話番号など起業に必要なものが大体揃っています。
コストが安いのでネット販売で特定商取引法の住所記載が必要な場合や、個人事業主として住所を利用する際にもおすすめです。
名刺が初期費用無しで、税込み1100円(1ロット100枚)で作れるのはかなり安いですよね
起業時の準備に精通されてる方が作ったサービスだと思いますが、0から会社を作る際はもうここでいいんじゃないかなと
\ 渋谷一等地の格安バーチャルオフィス /
オフィスは立地が重要
オフィスを構える際にロケーション選びは非常に重要です。
特に採用活動においてはテレワークが浸透しているとはいえ、やはり人気の主要駅と私鉄の沿線駅などでは応募数自体が大きく異なります。
また来客などが多くなる場合は、大通り沿いに立地し視認性が高くエントランスが綺麗なビルにすると、お客様も迷うこともなく良い印象を与えますよね。
地理的に要の主要駅は採用に強い
例えば都内のオフィスであれば、山手線の東側は千葉寄りの人が集まってきたり、西側は渋谷や新宿などであれば乗り入れする私鉄も多いため採用にも強いです。
また、新興系のIT企業などは渋谷や六本木に集積していて、営業活動を行う際には近場にオフィスを構えることで地理的にもメリットがあります。
主要駅は人気のため賃料が高くなる傾向がありますが、池袋などは乗り入れする沿線が多い割に賃料が抑え目だったりと穴場の駅もあります。
リモートワークの普及などでオフィス立地にこだわる必要性も薄くなってきましたが、都心からやや郊外に本社を引っ越した会社が、採用にめちゃくちゃ困ってるなんてことも良く聞きます。
交通アクセスの良さを考慮
出勤する際に何度も乗り換えが必要だったり、駅から距離が遠いオフィスは時間的なロスが大きいです。
交通アクセスが不便なところは賃料も安いのですが、人が集まりにくく採用にも苦労します。
また、複数路線の地下鉄や私鉄が通っている駅は外回りする際に便利なので、営業が多い企業などはそのような立地にオフィスを置いているところもあります。
起業の際は創業メンバーと良く話し合って、お互いに通いやすく採用もしやすい立地を選ぶと良いでしょう。
個人的にはDoor to Doorで30分以内じゃないと、オフィスに行く気力が無くなります
交通アクセスが悪いと結局タクシーを使ったり、費用がかさむんですよね
周辺環境の充実度
オフィスの立地を選ぶ際にこだわりたいのが、ランチをするお店や近くのコンビニなどの周辺環境です。
オフィス賃料が安くても周りに飲食店が少ないエリアだと、社員がランチをするのにも一苦労です。
銀座や恵比寿などはおしゃれでハイソなイメージがありますが、実際に働く人からはランチが高くて困るなんていう声もあります。
都内であればコンビニはどこにでもありますが、ビル内や隣接した場所にコンビニがあると、雨に濡れることも無くちょっとした買い物がすぐにできます。
また、フィットネスジムやサウナなどが近くにあれば、仕事帰りに汗を流してリフレッシュすることもできますよね。
オフィス契約時の注意点
オフィスを契約する際には、法人の場合は謄本や事業内容がわかるWEBサイト、個人事業主の場合は住民票などの情報が必要な場合があります。
また、印鑑証明や代表者の身分証、引き落としの口座情報など、必要書類をあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
法人の銀行口座がまだない場合は、代表者の個人口座でも良い場合があります。
契約前に押さえておきたい項目
まずはオフィスを契約する際に、初期費用がいくらかかるのか計算しておきましょう。
月額費用が安くても賃料の前払金や保証料などで、数ヶ月分の支払いが発生する場合があります。
また、いつからオフィスを利用することができるのか、解約時は何ヶ月前に告知すれば良いのかを必ず確認しましょう。
実際に利用するレンタルオフィスは、騒音や通信状況など想定しないトラブルもあるため、内見してから決めることをおすすめします。
解約に関する条項
3ヶ月前告知などの場合はすぐに移転したくても3ヶ月使い続けるか、3ヶ月分の家賃を払って出ていく必要があります。
またキャンペーン適用などで違約金の条項がある場合は、すぐに退去したい時に予期せぬ出費につながることがあるため注意しましょう。
保証金についてはレンタルオフィスでは償却されるか、クリーニング費用などで相殺されることが多いかと思います。
契約期間の長さについて
解約予告にも関わる点ですが、1ヶ月単位で自動更新の場合は柔軟に対応することができます。
ただし1年単位だったり半年単位などの場合は、違約金が発生したり結果的に通常のオフィスよりも高くなってしまう場合があるため注意が必要です。
更新料がかかるレンタルオフィスは少ないかと思いますが、契約期間や解約通知などのルールはオフィス事業者によって異なるため、必ずチェックしましょう。
レンタルオフィスなら1ヶ月前告知のとこが良いですね
オフィス事業者も急に出ていかれると困りますからね
起業時のオフィスは低コストで
起業時でもすでに取引先があって利益が出ていたり、VCやエンジェル投資家から出資をうけてスタートする企業もあるでしょう。
そういった場合は最初からそれなりのオフィスを借りて、事業をドライブさせていくのも正解です。
それでも起業というのは不安定で、いつどうなるか分からないものです。
ビジョンに合わせたオフィス選び
創業時は固定費を最低限に抑えつつ、経営が安定し始めてからちゃんとしたオフィスを構える方がリスクコントロールがしやすいはずです。
最初から一気に採用をかける場合はそれなりのスペースが必要ですが、オフィスは退去する際もそれなりのコストがかかります。
起業という一大イベントで気が大きくなってしまう気持ちもわかりますが、ここはグッとこらえて堅実なオフィス選びをすると良いのではないでしょうか。
最初から大きなオフィスを借りて、人を採用しまくって失敗した会社は多いです
固定費は利益の何%までにするとか、しっかりとした事業計画が必要なんですよね
コメント